遠藤雷太のうろうろ日記2

札幌の劇作家。日本劇作家協会会員。 演劇の感想は、できるだけ「否定的なことを書かない」「社交辞令で褒めない」「人と違うことを書く」という方針。

観劇三昧

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青☆組『幸福の王子』

kan-geki.com 2026/4/29 王子の像が、仲良くなったツバメに、自身の宝石や金箔を剥がさせて、恵まれない人たちに届けるようお願いする話。 朗読劇。古民家を利用したごく小規模なスペース。舞台のような大掛かりな照明も音響設備もない。素朴な仕立て。四人…

劇団WAO!『磯部家「はじめての・・・」』

kan-geki.com 2026/4/18 脚本家と作曲家が、お互い読書しながら、トイレの正しい利用方法について話し合う話。 このシリーズ、最小限の動きと声量から生まれる日常会話のちょっとしたズレが楽しい。 最初から、質問する→答える→黙る、で生まれる会話の残尿感…

池袋ストリーム『Great Job』

kan-geki.com 2026/4/12 未熟な殺し屋がミスをきっかけに成長する話。 朗読劇。小規模ながら、照明や音楽、イラストを組み合わせ、エンタメ作品としての枠組みがしっかり作られている。 照明を使ったシーンの切り替わりもスムーズで、ト書きの担当者がいなく…

あやめ十八番『六英花 朽葉』昭和モダン

kan-geki.com 2026/3/12 ・映画説明者の朽葉の走馬灯を通して、サイレントからトーキーへ移行する映画文化の変わり目を描いた話。 ・まずはサイレント風の演技に弁士が声を当てて見せる。 ・単にオープニングというにはかなり長い尺。 ・弁士のリズムと声色…

ムシラセ『なんかの味』

kan-geki.com 2026/1/23 結婚式を控えた娘が、父親から余興でバンドやろうぜと言われて戸惑う話。 小津安二郎の『秋刀魚の味』(未見)が下敷きになっているらしい。 秋刀魚は出てこないけど、牛乳やピノなど、人間関係の変化に食べ物がよくかかわってくる。…

劇団トマソン『In The Room』

kan-geki.com 2025/11/28 部屋の中で知り合った二人がとりとめのない会話を続ける話。 白赤黒のボックスを重ねた舞台美術は見栄えがいいし、光沢のあるパジャマっぽい衣装も照明によく馴染んでいる。 行き交う言葉がどんどん脱線して、数秒後には全然違う話…

fwtp(フワトピ)『Dreamy Null Another』(日本学生演劇プラットフォーム)

kan-geki.com 2025/11/22 完璧な人間とはどういうことか考える話…と受け取ったけど、最初の数分で話が追えなくなったのでよくわからない。 前半部分の語りのリズムが楽しい。話がよくわからないのに、一定の聞き心地の良さを維持できている。見せ方が巧い。 …

劇団 山の手事情社『空想部落』

kan-geki.com 2025/11/9 アンナムの王族の護送役を引き受けた男がその時の様子を仲間たちに語って聞かす話。 ぱっと見の絵面は映像作品のようだが、登場人物の重々しい喋りは演劇の中でも特に様式的なほうなので、見始めの段階ではだいぶ違和感がある。 ただ…

劇団皆奏者『イイ大人』

kan-geki.com 2025/10/11 宇宙人が、階段から転落死した地球人男性の体を乗っ取って成りすます話。 最初は実験動物扱いだった地球人にだんだん感情移入してしまう感じ。 階段から転落した後の顛末を見せてから、階段から転落するまでの経緯を見せる順番。 後…

SPAC-静岡県舞台芸術センター『アンティゴネ ~時を超える送り火~』

SPAC-静岡県舞台芸術センター『アンティゴネ ~時を超える送り火~』 2025/9/8 ・アンティゴネが兄ポリュネイケスの埋葬をしたことでクレオン王から犯罪者として裁かれる話。 ・フランスのアヴィニョン法王庁の中庭に舞台を作って上演。座席は2000。大きい…

箱劇『野ばら』

箱劇『野ばら』(観劇三昧) 小川未明『野ばら』(青空文庫) 2025/7/24 人気のない国境線で、双方の国の警備兵二人が、少しずつ仲良くなっている話。 小川未明原作の「野ばら」を紙芝居にして、岡山県の奈義町現代美術館で上演する。 加えて、常設展示の宮…

演者unit炊込飯『as i am』

演者unit炊込飯『as i am』 2025/6/23 生まれ変わりのある世界で、生まれ変わろうとする男と、生まれ変わりを放棄しようとする男が語らう話。 狭い演技スペースで動きのない二人。 それを補うように雨やノイズ音のような音響演出がかなり凝っている。たまた…

演劇/微熱少年「縁側アロハ、その前に 第七話『おばあちゃんへ』」

演劇/微熱少年「縁側アロハ、その前に 第七話『おばあちゃんへ』」 2025/5/22 おばあちゃんへ手紙を書く女の子が母親に内容をチェックしてもらう話。 一応、登場人物は二人。おそらく姉妹。 手紙を書いた女の子がずっと喋っている。 フレームの外に母親がい…

演劇/微熱少年「縁側アロハ、その前に 第六話『ウクレレパラダイス』」

演劇/微熱少年「縁側アロハ、その前に 第六話『ウクレレパラダイス』」 2025/5/18 売れないミュージシャンが作曲の仕事を請け負うが、うまくオーダーどおりの曲が作れず悩む話。 独り言が多かったり、その独り言と同じ内容が書いてある依頼書を音読したり、…

演劇/微熱少年「縁側アロハ、その前に 第五話『メイクを落とすその前に』」

演劇/微熱少年「第五話『メイクを落とすその前に』」 2025/5/14 若手の官僚が鏡の前でカラ元気を出す話。 第三話と第四話は見つからず。話は繋がってないようだから気にせず続ける。 ほぼ後ろ向きで顔の表情は鏡で見せる。解釈の余地もあっておもしろい構図…

劇団WAO!『磯部家「ツリーハウス」』

劇団WAO!『磯部家「ツリーハウス」』(観劇三昧) 2025/5/16 脚本家と作曲家が淡々と世間話をしているうちに少しだけ二人の間に距離ができる話。 ふたりとも思い思いに本を読んでいる。ちょっとひとやすみ感覚で世間話が始まる。 自分も小さい頃、裏山と言え…

演劇/微熱少年「縁側アロハ、その前に 第ニ話『みんなのイエーッ』」

演劇/微熱少年「縁側アロハ、その前に 第ニ話『みんなのイエーッ』」(観劇三昧) 2025/5/11 中学校の教師が、(おそらく)自宅で生徒から届いた暑中見舞いの手紙を音読する話。 自分は年賀状すら中学校の先生には送ったような送っていないようなという有様…

演劇/微熱少年「縁側アロハ、その前に 第一話『ラジ子の時間』」

演劇/微熱少年「縁側アロハ、その前に 第一話『ラジ子の時間』」(観劇三昧) 2025/5/10 ラジオパーソナリティーの女性が番組内でポール・マッカートニーの妻とのエピソードを紹介する話。 3分から6分の作品が9話まであるようだ。そのうちの第一話。 コロナ…

ダダ・センプチータ『海に流れるぼんやりの記憶』

ダダ・センプチータ『(全景映像)海に流れるぼんやりの記憶』(観劇三昧) 2025/5/9 ペットの亡骸を抱えて海にやってきた二人がぎくしゃくした会話をする話。4分の掌編。 ペットの亡骸は、二人が幸せだった頃の象徴と言えるのかもしれない。 亡骸を海に流せ…

笑の内閣『そこまで言わんでモリエール』

笑の内閣『そこまで言わんでモリエール』(観劇三昧) 2025/3/25 ・モリエールの劇団への書き下ろしだったはずの戯曲が、ほぼ同時期に別の劇団でも上演されることになり、作家とモリエールや劇団員が対立する話。 ・モリエールのことは「フランスの喜劇作家…

THEATRE MOMENTS『フランケンシュタイン/怪物』

THEATRE MOMENTS『フランケンシュタイン/怪物』(観劇三昧) 2025/2/23 ・ビクター・フランケン博士が、自身の生み出した怪物によって大切な人々を次々と失っていく話。 ・前説でお客さんを交えてシアターゲームが始まる。 ・本作は本編への導入も担ってい…

劇団なのぐらむ『SPARE ME』

劇団なのぐらむ『SPARE ME』 2025/2/16 店主が亡くなった小さなバーに、閉店を惜しむ人々が集まる話。 こじんまりとした題材のわりに登場人物が多い。店員、元店員、建物のオーナー、遺族など、90分強で15人。 話の進展よりも新しい登場人物が出てくるほうが…

イチニノ『千年後の冒険』

イチニノ『千年後の冒険』(無料) 2025/2/5 病気を他人に引き渡す技術と法律のある世界で、病気を渡した側の女性が、渡された側の人にあいさつする話。 映像内に医者が一人、舞台上に病気を引き渡した女性一人がいて会話する。加えて、作中には登場しない、…

日穏-bion-『月の海』

日穏-bion-『月の海』(観劇三昧) 2025/1/23 ・認知症かつ寝たきりの母と暮らす静の家に、5年前に行方不明になった兄にそっくりの泥棒が現れる話。 ・類型は結構ありそう。 ・本作では、母は兄のことを気にかけていたため、偽物なのに介護の上では重要な役…

青年団『ちっちゃい姫とシャベルン博士』

青年団『ちっちゃい姫とシャベルン博士』(観劇三昧) 2025/1/11 ちっちゃい王国のちっちゃい姫が、イチゴの呼び名をサンゴやイチヨンに変えるという話から、言葉の意味について学んでいく話。 隣国の王子たちはホントにしょうもないけど、すぐに軌道修正で…

青年団『ちっちゃい姫とハカルン博士』

青年団『ちっちゃい姫とハカルン博士』(観劇三昧) 2025/1/6 ちっちゃい王国の小ささが不満な姫を、従者と博士がなだめようとする児童劇。 姫がなぜ不満なのかを客席の子供たちに予想してもらったり、クイズを出したり、積極的にコミュニケーションをとって…

KUROGOKU『DOLL』 《Team R》

KUROGOKU『DOLL』 《Team R》 2024/10/6 ・宿舎のルームメイトになった高校生五人が入学して高校生活を送り、結果入水事件を起こす話。 ・1983年の戯曲。もう古典と言ってもいい有名作だけど、上演しているのを見たのは初めて。 ・年代は作中でも言及される…

Nibroll/ミクニヤナイハラプロジェクト『リアルリアリティ』

2024/3/18 プロジェクションマッピングとコンテンポラリーダンスと音楽を組み合わせた舞台芸術。 ダンスは演劇ほど演者の表情に焦点がないので、見た目が暗くなりがちなプロジェクションマッピングとは相性がいいのかもしれない。 最初パネルに、不自然な姿…

株式会社オフィスインベーダー『飛び降りたらトランポリン』

2024/3/7 疫病の感染者を殺す花火を発明した男が、感染者を殲滅したい権力者と、感染者たちの間で板挟みになる話。 主人公はヒラガバンナイという発明家で、コロリという病原体、エレキテル、からくり人形の女の子を発明しているという、江戸時代風のファン…

マチルダアパルトマン『すべての朝帰りがいつか報われますように』

2024/3/5 一年前に公園で死んだ一人の男を偲んで、彼と因縁のある女性たちが集まって缶蹴りをする話。 夜の公園という、なにかと若者たちをそわそわさせるロケーション。 年齢的にも世代的にも缶蹴りはないだろうと思うけど、それをさせてしまう夜の高揚感に…